難易度 | むずかしい |
作問者 | baku |
問題
名探偵が事務所の2階でケーキを食べていると、依頼人のアヒルが訪ねてきた
「先程のことです。同棲している彼氏が『少し出かけてくる』と言って家を出て行きました。彼が『少し』と言う時は大抵10分もしないうちに戻ってくるのですが、今日は1時間経っても戻ってきません。何かあったのではないかと不安になり、走ってここまできたのです。どうか、彼を探し出してはくれませんか?」
アヒルは鞄から恋人の写真を取り出し、名探偵に見せた
「ほう。もう少し詳しく話を聞かせて欲しいね。君たち二人の仲は良好だったのかい?」
「はい。今日も付き合って1年の記念日を一緒に祝う予定でした」
名探偵は紅茶の入ったカップを持ち上げ、窓辺に移動した
紅茶を啜りながら、路地の往来を見下ろす
「ところで、走ってきたと仰るわりにはあまり息を切らしていないようだ。汗もかいていない」
「何が言いたいのですか?」
「いえ」
名探偵は黙り込み、路地を行き交う人々をじっと眺めた
しばらくし、おもむろに紅茶に浸けていたティーバックを窓の外に投げ捨てる
「それで捜索の方は?」
アヒルが尋ねると、
「ああ、それならもう解決したよ」
名探偵が微笑むのと同時に、事務所のドアが勢いよく開いて、アヒルの恋人が現れた
さて、どういうことだろうか?
シンキングタイム!
なぜアヒルの恋人は突然現れたのでしょうか?
真相
アヒルの恋人は記念日を祝うためにケーキを買いに行った
しかしケーキ屋には行列ができており、ケーキを買うには長い時間並ばなければならなかった
名探偵はつい先ほどそこのケーキを買ってきたばかりであり、行列の存在を知っていた
そのためアヒルの恋人が行列に並んでいるために帰りが遅れていると推測できた
またアヒルの不安ぶりからして、事務所へは歩きではなく確かに走ってきたと考えるのが自然であるが、疲労感がないため家が近いのだと推測できる
名探偵は、ケーキを買い終わったアヒルの恋人は事務所の前の路地を通って帰宅する可能性が高いと踏んで、窓の外を見張っていた
しばらくしてアヒルの恋人が通りかかったので、名探偵は彼の顔に当たるようにティーパックを投げ捨てた
アヒルの恋人は憤り、事務所へと怒鳴り込んできたのだった